本コラムは豆知識です。
参考までにお読みくださいね。
昔、消費者金融が存在しなかった時代は
銀行が個人向けのローンを提供していました。
1978年6月には普通預金貸越制度が認められ、
借入れを行う場合には、専用のCDカードを作り
それを使ってキャッシングが可能となりました。
※CD=キャッシュディスペンサー、現金自動引出機※
これは普通預金とカードローンを組み合わせた
サービスで預金残高がマイナスになっても
お金を引き出すことができたのでローンという
側面がプラスされたわけです。
さらに銀行は当座預金貸越制度などを組み合わせた
カードローン事業へと消費者信用の枠を広げて
いきましたが、収益上の経営判断や貸し倒れリスク、
審査の困難さなどもあり、個人向けローンの拡大は
ありませんでした。
ですから、その後、プロミスやアコムと言った
消費者金融が誕生したわけです。
その消費者金融が一般市民に浸透する前までは、
労働者や農家などのいわゆる庶民階級を対象にした
庶民金融がありました。
庶民金融の1つの形態として、古くから質屋業が
あったわけですが時代の流れで1958年をピークに
減少していったのです。
その代わりとして台頭してきたのが消費者金融です。
最初は担保を必要としない対人信用をもとにした、
いわゆるサラリーローンが登場します。
これは勤人信用貸または小口賦払信用貸付と呼ばれ、
主にサラリーマンを対象にその本人の「信用力」を
担保として貸付けを行う小口金融でした。
当時、毎月25日が給料日であったので月末にかけて
利用者の一部は、周期的に消費・生活資金の不足が
生じていました。
それは今も同じですね。
そのため一時的なつなぎ資金としてニーズがあったのです。
そんな時代の中で、プロミスやアコムは誕生しています。
ただ現在では審査体制も整備されているプロミスなどの
消費者金融会社も創業当初は、無担保で見ず知らずの
利用者に貸出を行うことには抵抗感があり、不安感も
あったようです。
参考までに当時のアコムの貸付条件を見てみましょう。
「融資対象者は公務員および大手企業やその地域での
著名企業勤務者で、勤務は2年以上、そして保証人を必要」
以上のような条件となっていたそうです。
今よりかなり審査は厳しかったでしょうね。
なお、当時のユーザーは少額借りて、すぐ全額を返済する
利用者が大半だったようで、その意味では比較的に
借りやすかったかもしれません。
その後、幅広くユーザーが借り入れできるようにと、
現在のJICCやCICの礎となるJCFAやLEなどが設立されました。
消費者へ信用を供与するということは、見ず知らずの人間に
与信を行うことです。その信用審査に多大な手間とコストが
かかりました。
ローン申込者のの個人信用情報を入手するための
クレジット・ビューローや、その情報を分析するための
パーソナル・デパートメントの設置などがおこなわれ、
現在のJICCやCICが存在するわけですね。
プロミスやアコムの審査スピードやWeb完結などの
サービスはすべてそうした積み重ねの上のあるわけです。