2010年6月18日に完全施行された改正貸金業法により
消費者金融カードローンを取り巻く環境は大きく変化
しました。
特に過払金返還請求の問題は消費者金融の経営に重く
のしかかり、過去の極度額方式(リボルビング契約)
におけるキャッシングユーザーとの取り引きでは、
上限金利の適用を過去にさかのぼり遡及しなければ
ならなくなり、過払い金の返還請求を受けざるを
得なくなったのでした。
とりわけプロミスやアコムなどの大手上場企業は
莫大な貸倒引当金の計上を義務付けられ、膨大な
赤字が発生しました。
そうした非常に厳しい、苦しい状況を乗り越えて
ここ数年間で復調しつつある大手消費者金融ですが、
他方で中堅や小規模金融会社に目を向けてみましょう。
まず中堅消費者金融ですが、法改正の悪影響を受け
倒産、廃業した貸金業者も多く、事実上、新規の
貸付けはほとんど行うことが出来ていません。
現状、既存債権の回収業務で細々と経営を継続して
いるのが中堅金融企業です。
次に小規模消費者金融ですが、こちらは意外にも
それほどの打撃は受けておらず、自社の資金で
無理せず経営を続けているようです。
ですので大手で借り入れ審査で否決された場合は
小規模貸金業者でお金を借りるという選択肢は
意外と狙い目かもしれませんね。
また上限金利の引き下げもキャッシング会社の
経営を圧迫しました。
2004年の大手消費者金融の平均貸付金利は24.58%
でしたが、2011年には18.2%にまで落ち込んで
しまいました。
これが何を意味するかと言えば、ローン会社に
とっては利益の減少になりましたが、逆に
カードローンユーザーにとっては金利負担の軽減
という利益の享受になったのです。
皮肉なものですが、お金借りる私たちには有利な
条件となっていますので、借りやすい状況である
ことは間違いないでしょう。
最後に成約率について見ていきましょう。
大手消費者金融の2006年当時の成約率は約59%
でしたが、2009年には29.3%にまで低下しました。
その後、キャッシング業界の復活もあって、
現在、2016年では成約率は、およそ40~50%程度
にまで回復しているものと予想されています。