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自腹接待で銀行カードローン利用|サラリーマンに体験談を取材

営業マンの酒井さんは仕事柄、取引相手と酒を飲む機会が多かったそうです。

最低でも週に1回はお決まりのコースはスナックを1~2軒回り、
3~4軒目にキャバラやフーゾクなどに行くというもの。
 
ただし、接待であっても、酒井さんは会社ではスナックまでは経費で落とせますが、
キャバクラとフーゾクは経費で落とせません。

だから、ひと晩で5万円前後の自腹を切ることがしばしばだったようです。
 
酒井さんの借金が膨れてしまったのは、遊びというより仕事のせいなのです。

「いや~スナックだけでやめることなんてできませんよ。こっちも酒が入って気が大きくなってますし。
せっかく盛り上がってきたところで『経費で落とせないんで』なんて言えるわけがありません。
場がしらけちゃいますよ。だから、当然、自腹を切る必要がありました。
でも、僕は取引なんて昼間の応接室じゃなくて夜の宴席でまとめるものだと思っていましたから。
夜のほうが自分を売り込みやすいし、仕事を超えた信頼関係を築きやすいんですよ。
また、酒を飲んで仕事になるという生活が楽しくて。
イヤイヤやっているというわけではないから、自腹は全然痛くありませんでした」

とはいえ、酒井さんの自腹は月に20万円、年間ではなんと240万にのぼったのです。

これは、年2回のボーナスから100万円、
月給から8万円×12回=96万円を捻出し、
残りの40万円を借り入れていて穴埋めし、
その借金は40万円×5年間=200万円にまで膨れ上がりました。

 
借り入れは、まず信販系クレジットカードから始まったそうです。
最初はキャッシング枠50万円でまわしていました。

ですが、年間40万円ずつ借金が増えるので、
2年目にはまわらなくなってしまいました。
そこで、クレジットカードをもう1枚増やしたのです。
 
 
さらに、3年目にはキャッシングより低利の銀行で100万円のローンを組んで1本化。

ここに罠がありました。
 
酒井さんが勤める会社が一流企業ということで、
銀行より200万円のローン枠を設定されてしまったのです。
ヤミ金の『押し貸し』と近いものがありますね・・。

6年目を迎えたときには、銀行カードローンの枠がいっぱいに膨れ上がったのです。

「学生のときは遊ぶカネをつくるためにバイトとかしてけっこう苦労しますよね。
でも、サラリーマンになるとボーナスなんかでいきなりデカイ金を手にできます。
『カネに困る人生とはオサラバだ』なんて変な確信を抱きました。
遊ぶカネに困っていた学生時代の反動という部分もあったかもしれません。
ヤバイと思ったのは、カネを借りようと銀行のATMを操作したとき。
借入残高を超えているっていう表示が出たんです。
いままで打出の木槌だと思っていた銀行が、実はそうじゃないってことにやっと気づきました」

正気に戻った酒井さんは返済を試みるように。
幸いにもこのとき営業から企画へと人事異動があり、
接待が必要ない職場になったのです。そこで、ガールフレンドから100万円を借り、
さらに生活の面倒をみてもらうことで収入のほとんどを返済に充て、
1年足らずで完済することができました。

「でも、他力本願で返せてしまった面もあって、正直、僕はまだ借金に懲りてないみたいなんです。
最近、パチスロにはまりだして、また少しずつ借金が増えそうな気配があります。
借金とは付かず離れずで付き合っていきたいなって…これやっぱりダメですよね」

銀行のローン枠が相変わらず200万円あるため、
「いまだについ借りてしまう」という酒井さん。
借金を増やさないようにくれぐれも気を付けてほしいものです。

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